みなさんは発達障害をご存知ですか。
ネットの自己診断をしたら自分にも症状が当てはまる!
という方、いませんか?
発達障害って子供の頃にわかる障害なのでは……?と思う方も多いはず。
幼少期の頃には分からずに、成人してから発覚したというケースも珍しくありません。
筆者がそうでした。
子供の頃から他の人とはどこか違うという違和感を感じながら生きてきたけど、まさか発達障害だったとは!
そんな発達障害当事者である筆者がざっくりと解説していきたいと思います(^^)
発達障害とは
発達障害は、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態です。
親のしつけが原因ではありません。
発達障害には、自閉症スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)、チック症、吃音などが含まれます。
同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害を併せ持ったりすることもあります。
それぞれの症状がこちら。
- 自閉症スペクトラム症…自分の気持を伝えたり、相手の気持を読み取ったりすることが苦手。また、特定のことに強い関心を持っていたり、こだわりが強かったりする。感覚の過敏さを持ち合わせている場合もある。
- 注意欠陥・多動症(ADHD)…発達年齢に比べて落ち着きがない、待てない(多動性−衝動性)、注意が持続しにくい、作業にミスが多い(不注意)。多動性−衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれか一方が認められる場合もある。
- 学習障害(LD)…全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなどの特定の学習のみに困難が認められる状態。
- チック症…思わず起こってしまう素早い身体の動きや発声。まばたきや咳払いなどの運動チックや音声チックが一時的に現れることは多くの子どもにあることだが、体質的にさまざまな運動チック、音声チックが1年以上にわたり強く持続し、日常生活に支障を来すほどになることもあり、その場合はトゥレット症とよばれる。
- 吃音…滑らかに話すことができないという状態。音を繰り返したり、音が伸びたり、なかなか話出せないといった、さまざまな症状がある。
発達障害の特性はその人が生まれ持ったものの感じ方、考え方、行動の仕方によるものなので根本的に「治す」ことはできません。
……が、周りの理解を得たり、環境を変えるだけで今よりもずっと生きやすくなります。
私は自閉症スペクトラム症(ASD)とADHDの混合型です
なぜ成人になってから発覚したのか
ここからは筆者の経験談です
わたしが成人になってから発達障害が発覚した理由を、次のように考えています。
- 大人しく、目立たない幼少期だった
- 女子特有の集団行動により、ある程度まわりに擬態する力が身についた
- 親も同じように発達障害の傾向があったので気づかなかった
わたしは人見知りがとにかく激しく、おとなしい子どもでした。
親も「この子は恥ずかしがりやで人見知りなんだな」としか認識していなかったようです。
父親は人一倍こだわりが強く、変わり者だったこともあり家の中でわたしだけが浮くというようなことはありませんでした。
周りが思っている以上に人と関わるのが嫌だったし、一人でいるのが好きな少し変わった子?でした。
学校生活も周りにうまく馴染めず、集団行動が苦手でいじめにも合いました。
二度とこんな思いはしたくないと思い、みんなと同じように擬態する術を学んだように思います。
場の空気を読むことが苦手です。
空気は読むものではなく、吸って吐くものだと思ってます(?)
学校ではひたすら勉強して、周りに合わせて擬態していればやり過ごせたのですが……事件は起きます(?)
大学生の時に初めてコンビニのアルバイトをしたのですが、3日で辞めてしまいました。
この経験を機に、やはり自分はみんなとどこか違うと自覚し始めます。
接客、レジ打ち、袋詰め作業などのマルチタスクが全く出来なかったのです。
みんなが普通にできることが何で出来ないんだろうと自分を責めました。
慣れれば出来るようになる、というレベルではないのです。
その後もいくつかアルバイトに挑むも長続きせず、発達障害を疑いました。
社会に出ると、より円滑なコミュニケーションやマルチタスクを求められ、今までにはなかった出来ないことが浮き彫りになります。
そこで初めて、発達障害を疑う方も多いようです。
それでは発達障害と診断されたらどうすればいいのでしょうか。
発達障害と診断されたら
各都道府県に、発達障害者支援センターがあります。
ここは、保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携し、地域における総合的な支援ネットワークを構築しながら、発達障害児(者)とその家族からのさまざまな相談に応じ、指導と助言をしてくれるサービスです。
診断されたけど、これからどうすればいいか分からないという方は、一度ここに相談してみることをおすすめします。
わたしが働けないつらさから自暴自棄になって引きこもっていた時に、住んでいる地域の支援センターに母が電話をしてくれました。
日常生活での困りごとや就職のこと、その他にもいろんな相談に乗ってくれる心強い存在です。
発達障害者支援センターの取り組み
まずは支援者の人と面談を数回しました。
お話を聞いてもらうだけで心が軽くなったのを覚えています。
これまでの経緯や現在の状況を話し、今後の進路を一緒になって考えてもらいました。
わたしが利用したところでは、コミュニケーションを利用したゲームや文字を書くなどの簡単な課題や作業をしたりするサロン事業というものがありました。
数回参加したのですが、自分含め4人の利用者とスタッフで簡単なすごろくゲームをしたり、読み物を皆で読んだりしました。
ティータイムでお菓子を食べたりもしました!
久しぶりに家族以外の人たちと関わって緊張したけど、外に出るいい機会になりました(^^)
発達障害のある人の就労支援について
医療機関で発達障害(自閉症スペクトラム)と診断されたら、
- オープン(障害を企業に伝えて)就職活動をする
- クローズ(障害を伝えずに)就職活動をする
この2つのパターンに分かれます。
クローズの場合は支援センターの直接支援なしで就職活動をすることになります。
但し、相談に乗りながら適職の助言や会社内での自分で取り組める工夫の助言などは行ってくれます。
オープンの場合、障害者手帳の取得や、直接就労支援機関の利用など様々な場面でサポートしてくれます。希望すれば役所に行くときや、事業所の見学の時に支援者が同行してくれます。
イメージとして、本人と企業を支援者がコーディネートしてくれる感じですね。
わたしは支援者の方と相談して、自立訓練に見学・体験に行くことに決めました。
自立訓練については↓↓を御覧ください。
まとめ
診断を受けてどうすればいいのかわからないという方は、発達障害者支援センターに相談してみることをおすすめします。
成人になってから発達障害だと分かった人は今まで苦労をしてきた人が多いようです。
苦手なことや出来ないことはなるべく避けて、出来ること得意なことを伸ばすようにしてみましょう。
障害に理解のある環境で過ごすことで、生きづらさを少しでも軽減できると思います。
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